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NO5041


日本を滅ぼす経済学の錯覚 


千成記

ルフランさんが迫り来る日本国破産をわかりやすく解説したサイトを 教えてくださいました。

みなさんも、以下のサイトのチエックをよろしくお願いいたします。

http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/bookstand-illushion.html

日本を滅ぼす経済学の錯覚〜堂免信義

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日本を滅ぼす経済学の錯覚

Illusion of Economics
堂免信義・著  光文社  2005年9月刊
  ここでは、この本の第7章だけを抜粋しました。実は、著者が訴えたがっているのは第6章までの内容だと思うのですが、それは学問的な視点からの論文となっています。
  大事なのは、もし国が破産した場合、経済にどのような影響を及ぼすのかということです。その点で、そのことについて述べられた第7章だけをピックアップした次第です。
  第8章では、国家破産を防ぐ対策案が述べられていますが、どれも実現可能性の低いものばかりですので、割愛させていただきました。私の結論は「今となっては、もはや国家破産を避けることはできない」というものです。大事なのは、そのことに対して私たちが早く心の準備をすることではないかと思っています。そういう意味で、特に注目していただきたい部分は赤い文字にして強調しました。その内容が、いま日本と日本人が直面している現実なのです。                          (なわ・ふみひと)

 ◆ 第7章 ◆  日本が抱える重大問題

  1990年代の不況を「失われた10年」と表現してから、既に5年が経ちました。いまや景気回復基調にあるとの見方が支配的ですが、それは錯覚であり、実態は国民の窮乏化と輸出増による「企業業績のみの一時的好転」に過ぎません。この間、人々は生活水準の低下と治安の悪化に悩まされています。ただ、生活水準も治安も、諸外国より特別に悪いわけでもありません。
  しかし日本は、先進諸国には例のない別の重大問題を抱えています。国家破産とフリーター問題です。これらは日本社会の崩壊を招くような危機的事態として、容赦なく進行中です。

 目前に迫っている国家破産

  個人の借金は月々一定額を返済するのが普通です。巨額の借金を返済できなくなったとき、分別のある人はその場で自己破産するでしょうが、思慮に欠ける人は、別の金融機関から返済用資金を借ります。こうして多重債務者となり、債務は雪だるま式に増えて、借金漬けの状態に陥ります。これが「サラ金地獄」です。
  こんな状態が長続きするはずもなく、あっという間にお手上げになります。多重債務者は、「もう借りられない」状態になったとき破産します。
  わが国の2005年度予算は、利払いや返済などに充てる国債費が18.4兆円、新たに発行する国債が34.4兆円となっています。利払い返済も、すべて新規借金でまかなっています。まさに「サラ金地獄」ではありませんか。
  日本政府は多重債務者です。したがって、もう借りられないとき、つまり国債の応募未達が発生したとき、国家予算は組めなくなり、破産します。
  日本政府は建設国債及び赤字国債というオモテの国債のほかに、巨額の借換債があります。借金はできるだけ早く返すのが原則ですが、政府は、返すカネがないので、返済用資金を再度国債で調達します。それが借換債です。2005年度は104.2兆円を発行する予定です。恐ろしいことに、毎年巨額の新規国債を発行するので、借換債の発行予定額が年々増大しています。

  2005年度の税収は44.7兆円と予定されています。この年の国家予算を447万円の家計にたとえてみましょう。

  年収               447万円
  特別収入             38万円
  新規借金            344万円
  利払いと返済          184万円
  生活費              638万円
  前年までの累積借金     7815万円


  年収の17倍の借金があるのに、年収の1.4倍の派手な暮らしをし、そのために年収の8割近い新たな借金に頼る‥‥。こんな暮らしがいつまでもつでしょうか。この暮らしができること自体が不思議であり、収入を増やすか生活費を下げるかの緊急対策が必須です。もっと不思議なことは、家人(すなわち国民)の多くが、この暮らしの危うさに気づいていないことです。
  内閣は郵政民営化に熱心ですが、はるかに緊急性の高い財政危機問題にほとんど無関心です。財政健全化が国会で論議の対象になったことを聞いたことがありません。むしろ海外の方が関心を寄せているように思えます。
  2005年4月のG7財務相・中央銀行総裁会議は、日本に対して8年ぶりに「財政再建」を求めました。世界は8年前から日本の異常財政に危機感を抱き、一方日本は、8年間何もやってこなかったのです。まさに国家破産が間近に見え始めています。日本はなぜ破滅への道を走り続けるのか、これはまったく理解しがたい現象です。

 実質破産後の日本は?

  政府が国家破産の瞬間まで傍観しているはずもなく、いよいよとなれば、なりふりかまわぬ行動に出るでしょう。それは預金封鎖であれ年金カットであれ、政府の行動は日本が実質的に国家破産に陥ったことを内外に印象づけ、一気に変動が始まります。その時のことを考えてみましょう。
  円、国債、株がいっせいに下がります。強力な輸出産業をバックに持つ円が暴落する確率は低いとしても、国債はかなりの下げになるでしょう。格付けも最低レベルになり、国債を大量に抱える銀行の体力を弱めます。金融危機が再発するかもしれません。
  金利が上がり、企業に打撃を与えます。倒産が増え、投資が減ります。失業率も上がるでしょう。消費意欲は減退します。国の予算はどうなるでしょうか。歳出の削減は必至です。公務員の給料は出るのでしょうか。
  円安、株安のもとでの業績不振によって、多くの企業が外資の手に落ちることでしょう。


  問題は、そこでどう再建するかということです。IMFの管理にはなりたくないものです。IMF管理の多くが失敗と言われています(ジョセフ・E・スティグリッツ著『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』徳間書店)。
  韓国は「IMF管理が成功した国」だそうです。1997年のアジア通貨危機のときにIMF管理となり、わずか5年でV字回復を遂げ、2002年に完全に回復しました。外貨準備高も世界4位です。
 しかし、これは韓国の国家経済の話であり、韓国の家計は回復どころか悪化しています。家計の債務は、1997年から2002年末までの5年間で210兆ウォン増えました。電気料金を支払えない世帯の数が2004年5月に89万を超えたといわれます(呉善花著『反日・親北 韓国の暴走』小学館)。
  5年間で210兆ウォンを当時の日本の経済規模に換算すると、5年で210兆円です。これは当時の日本の財政赤字より大きな額です。日本政府は破産に瀕していますが、韓国では家計が苦しんでいます。
  IMFが行なったのは、韓国を米国流の社会――競争が激しく、貧しい人の多い社会に変えることでした。
  通貨危機後の韓国は、「大多数の庶民にとっては、この数年間の構造改革から何らの希望を生み出すものではなく、年を増すごとに将来的な経済生活への絶望感を深めるものだった」(同上)という指摘もあります。社会そのものが打撃を受けたのです。同じ轍を踏まないように、日本は国家破産をさけるための行動をただちに起こすべきです。

 「IMF管理」下で日本はどうなるか

  アメリカの金融専門家たちが書いた「ネバダ・レポート」は、IMFが日本を管理下に置いたときの政策要綱、いわば日本の破産処理案です。IMFは米国の影響が強い機関なので、アメリカ人がIMFの政策を論じるのは不思議ではありません。
  ネバダ・レポートの要点は次の8項目です。

 @ 公務員の総数および給料の30%カット。ボーナスはすべてカット。
 A 公務員の退職金は100%カット。
 B 年金は一律30%カット。
 C 国債の利払いは5〜10年間停止。
 D 消費税を15%引き上げて20%へ。
 E 課税最低限を年収100万円まで引き下げ。
 F 資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の5%を課税。債権・社債については
    5〜15%の課税。株式は取得金額の1%を課税。
 G 預金は一律、ペイオフを実施するとともに、第2段階として預金額を30〜40%カット
   する。


  IMFは当該国の歴史、文化、環境を無視して世界一律の管理を強行するので、日本は経済的痛みだけでなく、文化的破壊をも受けるかもしれません。
  ネバダ・レポートの8項目を実施すれば、失業率は急増し、消費もGDPも急減、連動して円も株も暴落、大インフレの発生‥‥と、国民の生活は窮乏化します。円、株の暴落で企業の大多数が外資に乗っ取られ、日本人の多くが、自分と会社のために働くのではなく、外国の株主のために働かされることになるでしょう。
  犯罪は激増するでしょう。社会の混乱は、終戦時を上回るかもしれません。戦前の日本人は質実剛健を旨とし、4年間の戦争で耐乏生活を強いられましたから、戦後の厳しい窮乏にも何とか耐えることができました。しかも当時は、人口の半分以上が農業従事者でした。
  高度成長後の豊かな時代に育った世代、世界最高水準の衣食に恵まれた世代が、落魄した国でいきなり失業者の群に放り出されたら、どうやって食いつなぐのでしょうか。

 迫りくる歴史的瞬間

  税収の17倍の借金が既にあるのに、税収の8割近い新規借金を毎年追加する。利払いが税収の半分を超すのは時間の問題でしょう。個人ならとっくに破産しています。国家破産という歴史的瞬間が間近に迫っています。
  それなのに、政府は悩む様子も見せず、安保理の常任理事国入りに努力を傾注しています。「IMF管理下の常任理事国」なんて、想像もしたくない悪い冗談です。国会で財政危機が論議されないのも理解に苦しむことです。
  「経済敗戦」という考え方も間違っています。日本はどこの国にも敗れていません。自動車、デジタル家電では世界をリードしています。インターネット産業では米国に完敗しましたが、米国はこの分野で唯一の突出した勝者であり、日本はまだ善戦しているほうです。
  日本の経済的財政的苦境の原因は、自ら招いた地価暴騰による貯蓄過剰が原因でした。現在の国家破産危機も、放漫財政と安易な減税が原因であり、外国から仕掛けられたものではありません。2001年に(宮沢)財務大臣が「破局に近い」と正直に告白したのに、その後も危機意識がなく国債の大量発行を繰り返し、破局が現実となる日が近づくのを、漫然と待っている。これを自滅と言わずして何が自滅でしょうか。
  われわれは歴史をつくろうとしています。いま歴史の岐路に立っています。このまま自滅するか、それとも鮮やかな逆転劇を演ずるか。
  もし自滅を選べば、後生の歴史家は次のように書くでしょう。

  日本の歴史上、日本人がこれほど愚かな時代があっただろうか。懸命に近代化に励み、南下するロシアという巨大な外的を防いだ明治人の、爽快かつ痛快ともいえる賢明さに比し、わずか100年後の平成人の愚昧と遅鈍は際だち過ぎる。




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