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ロシュ、第三者による「タミフル」製造を認める用意あると表明
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)鳥インフルエンザに対する警戒が強まる中、スイスの製薬大手ロシュ・ホールディング(RHHBY)は18日、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」について、他社が製造することを認める用意があると表明した。鳥インフルエンザの治療薬としてはタミフルが最適と考えられる。
ロシュに対しては、鳥インフルエンザに備えてタミフルの備蓄を増やそうとしている国の政府や、タミフルのジェネリック版(後発の類似医薬品)の製造を目指す他の医薬品メーカーからの圧力が強まっている。
トルコとルーマニアで鳥インフルエンザが確認されたのを受け、タミフルの売り上げはここ数週間で急増している。17日にはギリシャ政府が、鳥インフルエンザのウイルスに感染した七面鳥が発見されたと発表。欧州連合(EU)加盟国での確認は初めてだった。ギリシャ、ブルガリア、クロアチアでは、感染例が毒性の強いH5N1型かどうかを現在確認中。
ロシュは18日、今年のタミフル生産量を倍増し、2006年半ばまでにさらに倍に拡大すると表明。また、タミフルの生産を拡大するために、米国内のもうひとつの施設を使う許可を米食品医薬品局(FDA)から得たことも明らかにした。
ロシュに対しては、鳥インフルエンザ感染拡大が懸念される中で不当にタミフルの製造を独占していると批判する声が聞かれている。タミフルの売り上げは今年、昨年の約2億5000万ドルから4倍増の10億ドル強に膨らむと予想されている。
インド、タイ、台湾は、タミフルのジェネリック版製造を検討あるいは実際にそうした計画を進めている。
第三者によるタミフルの製造を認めるかどうかについて、ロシュはここ数日間、煮えきらない態度をみせていた。流行病対策部門のトップがそれを認めることに前向きな発言した後、広報担当者がロシュはタミフルの単独製造業者でありつづけるつもりだ、などと述べる一幕もあった。
ロシュは18日、タミフルの生産拡大のため「すべての選択肢について話し合う用意がある」と表明。これら選択肢には、政府や、タミフルの製造を目指す民間企業に「サブライセンスを供与」することが含まれるとした。
事態を複雑にしているのは、タミフルの販売権利をめぐり、ロシュが提携相手である米バイオ医薬品会社のギリアド・サイエンシズ(Nasdaq:GILD)と対立していることだ。ギリアドは1996年にタミフルを開発。同年、ロシュにライセンス供与した。タミフルの特許は依然としてギリアドが保有しており、製造・販売はロシュの責任となっている。
ギリアドは今年6月、ロシュと結んだタミフルの開発・ライセンス契約を打ち切ることを目指しているとし、ロシュの米国処方薬部門ホフマン・ラ・ロシュに対し、契約解除を予告する通知を行ったと発表した。ロシュ側に「重大な契約違反」があったことを理由として挙げた。
ギリアドは当時、具体的な契約違反として、(1)ロシュはタミフルが承認されている国で販売促進・マーケティングを十分に行わなかった、(2)製造過程の問題で供給不足を招いた、(3)ギリアドに対するロイヤルティーを適切に計算せず、実際より少なく支払った、ことを挙げた。
一部のアナリストはギリアドの動きについて、1996年に結んだ契約よりも大きな利益をタミフルから得ることを目指した動き、とみている。
この問題の打開で合意できなかったギリアドとロシュは9月下旬、拘束力のある調停に持ち込んだ。結果は18カ月以内に出る見込み。
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